2015年4月 1,000グアラニー≒24円
この記事の目次
はじめに
プエルトイグアスで 世界三大瀑布の1つ イグアスの滝を堪能した僕たち。次に向かった先は えだ旅5カ国目となるパラグアイ。
"パラグアイって何があるの?"
この旅に出る前は パラグアイの場所すら知りませんでした。
しかし 南米を周っているうちに 数人の旅人から "パラグアイには "何もない" を楽しむ場所があるよ" と聞くようになりました。
""何もない"を楽しむとは どういう事だろう?"
もしかすると 暮らすように旅をする 僕たちの旅のスタイルにはもってこいの場所が パラグアイにはあるのかもしれない。
そんな今回は パラグアイのコロニアイグアス(イグアス移住地)にある "何もない"を楽しむことができる 時間がゆっくり流れる日本人宿のご紹介です。
コロニアイグアスでの様子はこちら↓
コロニアイグアスの宿のご紹介
はじめに「コロニアイグアス(イグアス移住地)」とは 太平洋戦後パラグアイ政府との移住協定により 日本から移住した日本人家族が暮らす場所です。ここには 農協があり 小学校があり 鳥居があり ラーメン屋まであります。
そこは あたかも 日本の田舎の原風景のようです。
施設の概要
【宿名】民宿 小林
【評価】
1.設備:★★★★☆
2.清潔さ:★★★★☆
3.ロケーション:★★★★★(あえて)
4.スタッフ:★★★★★
5.コストパフォーマンス:★★★★☆
総合得点22/25点
【住所】住所の詳細はありません
シウダーデルエステから53km地点
アスンシオンから273km地点 でバスを降ろしてもらいましょう
【HP】民宿 小林
【宿泊日】2015.4.11-18
【料金】80,000グアラニー(1,920円)/1ベッド(新館2人部屋)/1泊
【予約方法】HPのアドレスへ直接メール予約
kobayashi53km@hotmail.co.jp
返信に時間がかかる場合があるため 予約は数日前から行いましょう
【設備】
WIFI |
◯ |
洗濯機 |
× |
シャワー |
◯ |
乾燥機 |
×脱水機あり |
冷蔵庫 |
◯ |
ランドリー サービス |
× |
エアコン |
◯ |
荷物預かり |
◯多分可能です |
キッチン |
◯ |
その他 |
朝食20,000グアラニー/人 夕食50,000グアラニー/人で追加可能 |
宿の地図はこちら↓
民宿 小林への行き方
行き先の伝え方
民宿小林へは バスで向かいます。
バスを下車する場所は Asuncion(アスンシオン)とCiudad del Este(シウダードデルエステ)を結ぶ国道沿い。
地名ではなく 各場所からの距離で停車するため
・シウダーデルエステからは53km地点で下車
・アスンシオンからは273km地点で下車 することになります。
このため 乗車時に降りたい場所(km)をバスの運転手へ伝えて乗車。念のため 近くなったら 再度運転手へその旨を伝えると安全です(バスが国道に入ると 時折"◯km"の表示が見えるようになります)
僕たちは シウダーデルエステから向かったため 簡単なスペイン語で「kilometros 53 por favor.(キロメトロス シンクエンタトレス ポルファボル)」と伝えました。
バス会社について
この区間は多くのバス会社があります。
僕たちは シウダーデルエステからSan Luis s.a.というバス会社を利用し 30,000グアラニー(720 円)/1人でした。他の旅人からは 僕たちの半額の15,000グアラニーだったという話も聞いたので 急いでいたことを良いことに きっとボラれたのだと思います(笑)
ちなみに アスンシオンへは60,000グアラニー(1,440円)/1人ほどでした。
シウダーデルエステから53km地点。
SOSの看板が目印です。
ここでバスを下ろされた時は 最初は何かの罰ゲームかと思いました。民宿小林は 写真に向かって左方向へ歩いていきます。この場所から 徒歩1-2分程度です。
宿の前の通りです。
この時点では まだ建物が見えずに 本当にここで良いのかと思ってしまいました。実際には 次の角左手が民宿小林でした。
室内の様子
僕たちは 新館2階のツインルームを使わせていただきました。広々として まだ新しく 清潔な客室です。
新館では それぞれの客室にトイレとシャワーが付いていました。シャワーは電気式のため タンクに溜まっている量を使ってしまうと水温がぬるくなってしまいます。このため 2人で順番にシャワーを浴びる場合は 少し時間差を置くと快適に使用できます。
補足情報
まずは 良いところ
"何もない"を楽しめる
周囲にはコンビニやスーパー レストランなどは何もありません。街灯もほとんどなく 夜になるとあたりは真っ暗。このため ここでの時間の多くは 近所をお散歩したり かわいい猫や犬と戯れたり 釣りをしたり マクラメを編んだり。僕たちは 主にぼーっとしていました(笑)
こんなに何もない生活は 日本ではなかなか味わうことができません。
不必要な刺激が一切ない生活の心地が良さを 十分に実感できるのではないかと思います。
僕たちと遊んでくれていた猫たち。
時間がゆっくり流れている感じが伝わってきますね。
雨上がりの虹。
ある日の夕焼け。
屋上からの 満点の星空。
夜になるとあたりは真っ暗になるため 宿の屋上は天体観測にはもってこい。毎晩 屋上に寝っ転がって 天体観測をしていました。優しい宿のお母さんが 星座の講義をしてくれます。
なお 自炊用の買い物などは 10km離れたイグアス移住地へ向かいます。宿からは離れた場所になりますが 毎日お父さんが送迎してくれるので安心です。
オーナー夫妻のホスピタリティー
オーナー夫妻は とても優しく 人が良い方たちです。滞在中は 宿泊者のことをいつも気にかけ 声をかけてくれました。
次の項目にも重複しますが 夕食をお願いしなかった時にも デザートなどの差し入れをしてくれたり。日本食材店へ連れて行ってくれた時には たい焼きアイスをプレゼントしてくれたり。
日本から 遠くパラグアイの地までやって来る旅人を歓迎してくれていることが とても良く伝わってくる。長時間の移動や気を張っていて疲れている旅人が 久しぶりに心の底からほっとできる。そんな おもてなしの心を 民宿小林では感じることができます。
オーナー夫妻は あんこ餅を作り 生協で販売しているとのこと。僕たちも 早朝から餅つきや餅にあんこを詰める作業を手伝わさせていただきました。
餅つきをするなんて いつぶりだろう...と思ってしまうくらい 久しぶりの体験でした。
みんなで餅つきをした後は お餅のおすそ分け付き。つきたてのお餅は 柔らかくて とてもおいしかったです。
宿を出発する時には "バスに間に合わないといけないから"と バス停(とは言っても 53km地点(笑))まで車で送ってくれました。しかも "バスにひかれる...!!!"と思ってしまうくらいの 大胆なバスの停め方まで披露してくれました。
お父さんの帽子のかぶり方が なんとも素敵です。
美味しい日本食
キッチンもあるため 自炊も可能なのですが 追加料金(料金は 上記【設備】欄の表参照のこと)を支払うと お母さんが美味しい日本食を作ってくれます。
お母さんが作ってくれる日本食は お好み焼きやすき焼き 焼肉 とんかつなど。長期の旅をしていると ご無沙汰になってしまうようなものばかり。
パラグアイですき焼き。
しかも ここでは 海外では貴重な生卵が食べられます。これには 2人でびっくり! まさか 日本の反対側で 生卵を付けていただくすき焼きが食べられるとは思いませんでした。
しかも パラグアイ(というか 海外の多くの国)では 日本のような薄切り肉がありません。このため お母さん指導の下 みんなでブロック肉を薄切りに。この経験をしておけば もうどこに行っても すき焼きを作れそうな気がします。
パラグアイでヒレカツ。
お母さん特製の味付けのヒレカツ(ニンニクのすりおろしを お肉に薄く塗る)は ビールがすすむこと間違いなしです。
この日は 自分たちで夕食を作ることに。
それなのに 差し入れしてくれた 農協で販売しているゴマプリン。このゴマプリンは とても濃厚で クリーミーでおいしかったです。もし 農協で見つけることがあれば おすすめです。
僕たちも 2日に1回程度 お母さんの夕食にお世話になりました。なぜ 毎日にしなかったかというと 節約もありますが...その理由は 毎日食べるとすっかり丸くなってしまうから。お母さんの夕食は いつもボリューム満点なので たまには胃腸を休ませてあげることも必要かと(笑)
しかし お母さんのおいしい日本食は みんなで食べると会話も弾みます。そして 時には手相占いまでしてもらえます。ぜひ 他の宿泊者の方と 楽しい時間を共有されてみてはいかがでしょうか。
でも それだけじゃありません 気になるところ
日本人宿としての集団生活
しかし そこは日本人宿。
周りに何もないこともあり 農協に行くにしても みんな一緒。3食の時間にも 気軽に外食ができるわけではありません。このため 良くも悪くも 集団行動が求められる場面が多々あります。
また 宿泊者がそう多くない時にはアットホームな雰囲気で過ごすことができますが 宿泊者の人数が増えると 共有スペースやキッチンが混み合い WiFiがつながりにくくなることもしばしば。そういう状況になると 気を遣う場面も多くなり 周りに日本人がたくさんな環境を実感することに。
そのような雰囲気が合わない方は ここで過ごすことは難しいかもしれません。
最後に
日本の反対側 パラグアイで見つけた "小さな日本"は とても素敵なところでした。
何をしたわけではないけれど "何もないを楽しむ" とても有意義な時間の使い方ができたと思います。
旅の疲れを癒しに。また この先待っている 長距離移動の前の休憩に。時間に少し余裕がある方には ぜひおすすめしたい宿でした。
とてもお世話になった宿。
僕たちも またご挨拶に伺いたいと思う場所の1つです。
勝法